安倍首相は2月23日の日米首脳会談で「聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になった」と説明し、3月15日にTPPへの交渉参加の意向を正式に表明しました。TPPに参加すると、工業製品や知的財産権など幅広い分野で自由化が進展し、国内経済の活性化に結びつくとの見解も紹介されていますが、ならコープは、多くの県民、組合員が願う安全・安心な食品の確保は、地域の農林畜産業の継続なくしては実現できないと考え、安全・安心な食生活とくらしと地域を守る立場から、政府のTPPへの交渉参加について撤回を求めるものです。
以下に理事会決議文を掲示します。

 

ならコープはTPP交渉参加に反対を表明します。

2013年3月15日、安倍首相はTPP(環太平洋連携協定)への交渉参加の意向を正式に表明しました。首相は交渉参加を決断した理由について「TPPはアジア太平洋の未来の繁栄を約束する枠組みだ。交渉参加は国家百年の計であると信じる」と説明し、その意義について「同盟国である米国と新しい経済圏を作る。アジア太平洋地域における新たなルールを作り上げていくことは必ずや世界に繁栄をもたらす」と強調しました。
安倍首相は、日米首脳会談で「聖域なき関税撤廃が前提ではないことが明確になった」と説明していますが、首脳会談で発表された共同声明では、関税と非関税障壁の撤廃を原則とし、これまで「聖域」とされてきたコメ、砂糖、乳製品、牛肉、水産物などの農林水産品についても関税撤廃の対象とする協定を達成することを明記しています。昨年、新たにTPPに参加したカナダ、メキシコは、現行の交渉参加9カ国がすでに合意した条文はすべて受け入れるなどの不利な条件を承諾したうえで、参加を認められたと伝えられています。TPPに参加すれば、これらの問題においてもそのまま日本に押し付けられることになることは明らかです。
 
すでに、わが国は世界最大の農林水産物輸入国となっていますが、このような農林水産物が自由化になれば、日本の農業が壊滅的な打撃を受けるのは明らかであり、日本の自然や国土が損なわれます。
わが国の食料自給率の大幅な低下をきたすことになり、また、関連する幅広い産業に影響を及ぼし、雇用が消滅し失業者が増えて、地域経済の崩壊につながる事態になる可能性もあります。とりわけ奈良県では農林畜産業が衰退すれば、豊かな自然とよき歴史的景観、伝統的な地域社会が失われるなど深刻な影響が懸念されます。
 
ならコープは、組合員の願いをもとに、安全・安心な食品を生産者と一緒につくり、農業と地域経済の活性化、食料自給率の向上、地産地消の推進に取り組んできました。
多くの県民、組合員が願う安全・安心な食品の確保は、地域の農林畜産業の継続なくしては実現できません。
ならコープ理事会は、安全・安心な食生活とくらしと地域を守る立場からTPPへの交渉参加の撤回を求めます。

2013年4月3日
市民生活協同組合ならコープ理事会