環境に配慮した事業と取り組みの推進

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環境に配慮した事業と取り組みの推進

豊かな自然と文化を守り、次世代の子どもたちに引き継ぐため、環境にやさしい地域づくりをすすめます。再生可能エネルギーの普及、食品ロス、プラスチック問題などの社会課題に対する取り組みを組合員とともにすすめます。

1. 低炭素社会の構築に向けて
~地球温暖化防止と再生可能エネルギーの普及~

(1) 温室効果ガス削減の取り組み

2019年度エネルギー使用量

項目 電気(kWh) A重油(L) ガソリン(L) 軽油(L) 車両LPG(L) 都市ガス(㎡) 事業所LPG(㎡)
実績 18,567,847 29,484 69,194 318,027 3,254 44,834 142
計画 18,964,964 32,486 67,195 362,618 2,245 53,898 240
計画差 -397,117 -3,002 1,999 -44,591 1,009 -9,064 -98
計画比 97.9% 90.8% 103.0% 87.7% 144.9% 83.2% 59.2%
前年 19,475,295 31,700 70,199 302,182 2,245 53,898 148
前年差 -907,448 -2,216 -1,005 15,846 1,009 -9,064 -6
前年比 95.3% 93.0% 98.6% 105.2% 144.9% 83.2% 95.8%

2019年度CO2排出量 単位(t-CO2

項目 電気 A重油 ガソリン 軽油 車両LPG 都市ガス 事業所LPG CO2排出量
係数 0.344 2.71 2.32 2.62 1.68 2.11 6.09  
実績 6,359.6 79.9 160.7 834.5 5.5 94.5 0.9 7,535
計画 7,775.6 88.0 156.0 951.5 3.8 113.6 1.5 9,090
計画差 -1,416 -8 5 -117 2 -19 -1 -1,555
計画比 81.8% 90.8% 103.0% 87.7% 144.9% 83.2% 59.2% 82.9%
前年 9,017.1 85.9 163.0 792.9 3.8 113.6 0.9 10,177
前年差 -2,657 -6 -2 42 2 -19 -0 -2,642
前年比 70.5% 93.0% 98.6% 105.2% 144.9% 83.2% 95.8% 74.0%

※CO2排出係数は全国の生協が加盟する日本生活協同組合連合会で使用する統一排出係数を使用し、電気の排出係数は大手電力会社供給分は統一排出係数を使用、新電力供給分は直近の排出係数を使用します。



地球温暖化防止自主行動計画にもとづき温室効果ガス削減に取り組みました。CO2総排出量は7,535t(前年10,177t)、計画比82.9%(前年比74.0%)と計画を大幅に下回ることができました(表2)。CO2排出量を削減できたのは、店舗の冷蔵・冷凍ケースなどの省エネ化による電気使用量の削減とならコープでんきの排出係数が電力事業の提携先の電源改善と(株)CWS自前再エネ調達量が増加したことにより0.344kg-CO2(前年0.463 kg-CO2、前年比74.2%)と大きく低減できたことが要因です。電源のCO2排出係数低減はコントロールが難しいため、電気使用量の削減に向けた積極的な取り組みが重要になります。

① 電気使用量

電気使用量は18,567千kWh(計画比97.9%、前年19,475千kWh、前年比95.3%)と計画、前年から大きく削減できました(表3)。

電気使用量単位(kWh)
  全体 前年比 店舗 前年比
2013年度 16,972,522 99.1% 13,047,761 96.1%
2014年度 16,679,400 98.3% 12,729,648 97.6%
2015年度 16,919,193 101.4% 12,507,007 98.3%
2016年度 18,730,383 110.7% 13,036,671 104.2%
2017年度 19,567,484 104.5% 13,429,345 103.0%
2018年度 19,475,295 99.5% 13,278,840 98.9%
2019年度 18,567,847 95.3% 12,341,704 92.9%

1) 太陽光発電設備を設置し、自家消費することで購入する電気量を削減しました。コープ七条(313.5kW:2018年2月)、ならコープwithローソン真美ケ丘店(66kW:2018年6月)の太陽光発電が年間通して発電したことに加え、コープいまご(108kW:2020年2月)が発電を開始しCO2ゼロの電気を自家消費したことで電気使用量削減につながりました。


省エネ型ショーケース(コープ朱雀)

2) 省エネの取り組みではコープ朱雀のリニューアル(2019年7月)にあわせ省エネ型ショーケースに入替、エネルギー効率が約22%程度向上し、電気使用量削減に貢献しました。コープたかだ閉店(2019年9月)による電気使用量の減少は10月以降3月までで55万kWhでした。また、2018年度に省エネ型店舗に改装したコープいまごは改装前と比較し電気使用量35%~40%削減で推移、年間通して650万円程度の電気料金削減につながり、環境投資がコスト改善につながり、その効果は2019年度も継続しました。また、職員による冷ケース清掃(農産・水産・畜産)を4店舗(コープ学園前、コープおしくま、ディアーズコープたつたがわ、コープみみなし)実施し、衛生面の改善と清掃によるエネルギー効率向上は電気使用量全体に対して1%程度の省エネ効果があることが確認できました。

おしくま休業中の冷ケース清掃


職員による冷ケース清掃(コープおしくま)

《参考》1億円あたりCO2排出量 (単位:CO2-t)

項目 CO2排出量(t) CO2-t/供給高1億円当 供給高
2005年度 10,476 30.5 343億円
2014年度 8,417 22.4 375億円
2015年度 8,439 22.1 382億円
2016年度 9,902 25.7 386億円
2017年度 8,711 22.4 389億円
2018年度 10,142 26.2 387億円
2019年度 7,600 19.8 384億円

図1

3) ならコープ全体では、エコオフィス手順を策定し、エアコンの設定を冷房26℃以上(オフィスは28℃以上)、暖房20℃以下にし、省エネに努めました。7月7日ライトダウンキャンペーンにあわせ、地域の環境団体(NPO法人 奈良ストップ温暖化の会、(一財)再エネ協同基金)とソーラーランタン作りと点灯式を実施、七夕の短冊に地球温暖化防止についての願いを込め、店舗外部照明を消灯、子どもたちが作ったソーラーランタンを点灯しました。

② 車両燃料使用量

車両燃料使用量 単位(リットル)

燃料 ガソリン 前年比 軽油 前年比 LPG 前年比
2005年度 95,045 108.1% 246,073 95.1% 192,752 86.6%
2014年度 114,549 96.9% 277,881 98.4% 42,537 64.5%
2015年度 103,217 90.1% 299,331 107.7% 6,410 15.1%
2016年度 95,577 92.6% 290,080 96.9% 2,646 41.3%
2017年度 81,365 85.1% 321,414 110.8% 2,762 104.4%
2018年度 70,199 86.3% 302,182 94.0% 2,245 81.3%
2019年度 69,194 98.6% 318,027 105.2% 3,254 144.9%

1) ガソリン使用量は、前年から1,005リットル削減できました。災害時の電気の活用と化石燃料からの転換を目的に導入した電気自動車の積極的な運用により使用量削減が継続しています。

使用済み天ぷら油回収とBDF燃料使用車両台数

  組合員回収量(L) 組合員(人) ボランティア(人)※ BDF燃料使用量(L) BDF車両(台) 削減したCO2排出量(t-CO2)
2015年度 4,318 1,985 264 96,665 45 254
2016年度 4,340 1,903 260 114,571 63 301
2017年度 4,142 1,712 248 78,086 54 205
2018年度 3,598 1,291 184 84,903 46 223
2019年度 2,921 1,105 179 54,048 22 142
合計 47,382 19,297 2,433 727,038 390 1,908

※2008.2009年不明、2010~2012年いまご人数含まず
※軽油のCO2排出係数 kg-CO2

2) 軽油使用量は宅配事業での2019年11月より移動店舗5号車の運行開始や、軽油代替燃料であるバイオディーゼル燃料(以下BDF)使用車両の減少により使用量が前年から15,845リットル増加しました。軽油使用量は増加しましたが移動店舗の停留所は202箇所(24箇所増)となり、地域へのお役立ちが広がりました。また、天理市・葛城市などのサロンや三郷町のいきいき百歳体操との連携など、地域と一緒になった買い物支援の取り組みが前進しました。安堵町、香芝市、平群町、三郷町と「住民の買い物支援事業に関する協定」を締結するなど自治体との関係性を深め、組合員・住民が集える場(拠点)づくりなどにチャレンジしています。事業やサービスの拡大にはエネルギー消費量の増加が伴いますが、化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギー転換をすすめ、CO2削減につなげていくことが課題となります。排ガス規制等に対応したトラックにBDF燃料を使用するとエンジントラブル等重大な故障につながるため、2007年以前製造車両にしか使用ができず、導入後10年以上が経過しているBDF燃料使用車両は老朽化がすすみ、配達での使用が困難になってきています。2019年度は24台を減車し22台で運用することで軽油使用量54,048Lを削減することができたことから142tのCO2削減効果がありました(表5)。次年度以降も順次、軽油使用車両へ入替をしていくことで軽油使用量が増加します。温室効果ガス削減には配送効率向上、車両小型化による燃費向上やEV化などの次世代車両の技術開発を待つことになります。


コープあったか便 移動店舗(大和高田市)

③ ガス使用量

ガス使用量 単位(㎡)

  都市ガス 前年比 LPガス 前年比
2011年 64,878 96.9% 963 76.1%
2012年 66,428 102.4% 1,028 106.7%
2013年 69,551 104.7% 1,102 107.2%
2014年 61,804 88.9% 1,034 93.8%
2015年 68,205 110.4% 890 86.1%
2016年 68,882 101.0% 877 98.5%
2017年 68,398 99.3% 611 69.7%
2018年 53,898 78.8% 148 24.2%
2019年 44,834 83.2% 142 95.9%

都市ガスは前年比83.2%、LPガスは前年比95.9%となりました(表6)。コープたかだのガス空調器(GHP)を電気空調機(EHP)に2018年度途中に切替えたことにより使用量削減が継続しています。

(2) フロン排出抑制法への対応

2015年4月施行のフロン排出抑制法に基づき、ならコープでは簡易点検や定期点検を実施しました。ならコープ全体の年間漏洩量は796t-CO2(前年603t-CO2、前年比132.0%)でした。コープたかだの老朽化した冷蔵冷凍ショーケースの配管からの漏洩が362t-CO2と大半を占めていることからコープたかだ閉店により、次年度の漏洩量は削減する見込みです。年間のフロン類の漏洩量が1,000t-CO2以下となることから国への報告義務はありません。

(3) 再生可能エネルギー拡大の取り組み

ならコープ太陽光発電施設一覧

① 再生可能エネルギーを「つくる」取り組み

再生可能エネルギー発電量は5,196千kWh(計画6,500千kWh、計画比79.9%、前年5,146千kWh、前年比101.0%)となりました。(株)コープエナジーならによる新たな再エネ発電所は2019年6月に取引先である光陽商事(株)に太陽光発電設備(90kW)、2020年2月にコープいまごに太陽光発電設備(108kW)、(一社)かわかみらいふに太陽光発電設備(5kWh)、(株)CWSの葬祭事業施設 「ここ和」に太陽光発電設備(5kW)の4ヶ所が増加し、発電容量は4,944kW(前年差+208kW)となりました。(一社)かわかみらいふ、「ここ和」には災害等停電時に活用できるように蓄電システムを併設し、地域の方々に安心を提供することができました。奈良市とは防災を目的とした蓄電システムの導入に向けた協議をおこなうなど、地域の避難所等災害拠点に太陽光発電設備と蓄電システムの導入の可能性が広がりました。


(一社)かわかみらいふに導入した 蓄電システムスキーム図

小水力発電の開発である下北山村小又川発電所更新工事は計画通り進捗し、2020年6月発電を開始予定です。社会的投資ファンドは募集金額3,000万円に到達、出資人数は116(奈良県内出資者は45)人と多くのかたに小又川発電所更新プロジェクトを支援いただくことができました。


小又川発電所(下北山村)

② 組合員宅の太陽光発電の買取

(株)CWSが提供するならコープでんきは、太陽光発電で発電した電気を一定価格で買い取る制度である固定価格買取制度(以下FIT制度)の買取期間が終了する組合員からの買取方針を確定し、2019年11月から組合員宅の屋根の太陽光発電の買取を開始し、2019年度末には75件の組合員がならコープでんきの生産者となりました。

③ エネルギーの地産地消に向けた取り組み

ならコープでんきの供給地点数は4,710地点(計画7,000地点、計画比67.6%、前年比98.1%、前年差▲113地点)となりました。原子力発電と地球温暖化問題への問題提起を組合員に投げかけ電力会社の選択を呼びかけました。ならコープでんきの産地であるつくばね発電所(東吉野村)への産地見学は組合員と職員延べ200人程度が訪れ、エネルギーの地産地消、エネルギーを軸にした地域振興の取り組みを学びました。地球温暖化の影響による気候危機が叫ばれる中ですが、組合員の理解を得るまでのお知らせ活動が不足し、契約件数の増加させることができませんでした。

④ 再エネ・省エネ事業者への助成

ならコープグループの太陽光発電の売電収益の一部を寄付し、基金を創設、その基金を管理運営するために設立した(一財)再エネ協同基金は4年目の事業年度を終了しました。学習事業は16企画、延べ404人が参加、再生可能エネルギーや省エネルギーの利活用機器導入に対する助成事業は77人3,089,000円を助成することができました。これらの取り組みを応援する仲間である賛助会員(再エネふれんず)は昨年から154人増加し624人(個人602人、団体22人)となりました。


(一財)再エネ協同基金スキーム図)


再エネ協同基金学習講座
鍋帽子づくり


再エネ協同基金学習講座
火を囲むカフェ

再エネ協同基金講演会

講演会原田貞夫氏2

「世界一受けたい『うみ』の授業
~地球環境のいま~」

2. 生物多様性の保全及び持続可能な利用
~豊かな自然共生社会の実現に向けて~

① プラスチックごみ削減の取り組み

全国の生協が加入する日本生活協同組合連合会(以下 日本生協連)が開発するコープ商品ではプラスチック包材における環境負荷を減らす取り組みとし「リデュース(減らす)」「リユース(繰り返し利用)」「リサイクル(再資源化・再生)」「バイオマス(植物性由来素材の使用)」の4つの視点で取り組んでいます。

「CO・OPただの炭酸水」は、2017年4月から環境に配慮してボトルを薄く軽く改良、1本あたり7g軽量化(約25%)し、2019年3月までの2年間でプラスチック使用量を全国の加入生協全体で495トン削減しました。


CO・OPオリジナルブレンド
レギュラーコーヒー


CO・OPただの炭酸水

「CO・OPラベルのない水(あずみ野)」は2019年6月からペットボトルにラベルフィルムをつけない水を発売し、1ケースあたりのプラスチック使用量を5.16g削減し、全国加入生協全体でプラスチック削減量は年間9.9トンの見込みです。「CO・OPオリジナルブレンドレギュラーコーヒー」は2017年9月からパッケージの一部(3.5%)を植物由来プラスチック素材(サトウキビの廃棄に変えました。植物由来プラスチックに変えることで、枯渇資源である石油の使用量を削減することにつながっています。


CO・OPラベルのない水 あずみ野

② 地球環境を守り続ける取り組み

森や海の資源、生態系に配慮した原料で商品作りをおこなうFSC認証、MSC認証マークのついた商品の案内をすすめました。2019年度は日本生協連の「コープの洗剤寄付キャンペーン」にならコープも参加、コープ商品の代表的な洗剤であるセフターなど供給点数 1点につき0.5円をWWFジャパンがインドネシア領ボルネオ島で進めるプロジェクトである、インドネシア西カリマンタン州の保護価値の高い森林に近いエリアにある小規模パーム農園の持続可能な生産を支援するため、50,233円(3月31日時点)の寄付額をならコープ組合員の利用で積み立てることができました。


コープの洗剤寄付キャンペーン

③ 「アースデー2019 in なら」

1991年から開催し、30回目の開催となる2019年度のならコープのアースデーは、環境問題について考え、行動する日として「ひとりひとりの小さなエコ!ありがとうを地球に」をテーマに約2,679人(前年3,500人)が参加する取り組みとなりました。生駒市西畑町の棚田で開催した「菜の花まつりと菜の花ウォーク」、本部ロビーで開催した「環境絵画展」、環境映画「地球交響曲第1番(ガイアシンフォニー)」の上映会、店舗では地球温暖化が原因とされる大型台風による産直農家のビニールハウス倒壊被害の写真掲示やリサイクルルールの啓発をおこないました。また、他団体が取り組む環境イベント「アースデイ奈良2019」への、出店参加とならコープでんき提供の電源協力をおこない、地域の環境他団体との関係性が深まりました。


環境絵画展(本部ロビー)

④ 菜の花エコプロジェクトの取り組み

1) 組合員が参加する「菜の花クラブ」では生駒市西畑町の棚田をフィールドに西畑町自治会、地域の環境団体である いこま棚田クラブと協働し菜の花栽培(2018年10月~2019年6月)に取り組みました。組合員からメンバーを募集し、22家族71名(前年22家族77人)の登録があり、7回の活動に延べ295人(昨年223人)が参加しました。菜の花クラブの活動は午前中に菜の花の手入れ、午後はいこま棚田クラブの指導による里山での遊びや、シイタケの菌打ち体験、田植え体験等の体験企画などを楽しみました。菜種の収穫量は約15kg(昨年は約19kg)となりました。菜の花クラブ参加者からは「棚田の風景と自然を菜の花を育てながら季節を感じながら楽しませていただきました。子どもさんたちの虫をつかまえたり、川遊びやおにぎりをおいしそうに食べる姿に癒されました。」など子どもたちへの環境教育にも貢献できた取り組みとなりました。

菜の花クラブ刈り取り

菜の花クラブ刈り取り

菜の花クラブ間引き

菜の花クラブ間引き

菜の花クラブ

2) 使用済み天ぷら油ボランティア回収
店舗でのボランティアによる使用済み天ぷら油回収活動は、延べ1,105人(前年1,291人)の参加があり、約2,921L(前年3,598L)回収し、回収した使用済みてんぷら油はBDF燃料に精製し、配達トラックの燃料として活用しました。

⑤ 環境測定活動

環境測定活動は28回目を迎え、今年も300人の申し込みがあり、そのうち263人(昨年283人)の報告書が提出されました。組合員モニターが家族と一緒に、6/20(木)~6/23(日)の期間、大気(NO2)・河川水質(COD)・酸性雨の調査を実施しました。環境測定活動に参加した県立青翔中学1年生が、「2019年度 環境測定活動結果報告書」のデータ(263人分)を基に、新たに自分たちで測定したデータと合せ、国立極地研究所が主催する第16回中学生南極北極科学コンテストに応募、奨励賞を受賞したと報告がありました。ならコープの環境測定活動が地域の学校教育の現場でお役に立つ事例となりました。

⑥ 環境保全活動団体への助成

2005年度からレジ袋代金の一部を環境保全活動に取り組む団体への助成金として活用してきました。2019年度は25団体から申請があり、総額98万4千円を15年間で285団体、累計助成金額は1,292.4万円となりました。2月には環境保全活動助成団体交流会を開催し、奈良県各地で取り組まれている活動を共有しました。


環境保全活動助成団体交流会

⑦ 吉野共生プロジェクトの推進

吉野共生プロジェクトは、「奈良の元気は、吉野から」を合い言葉に、吉野地域の活性化をめざして、県内の自治体や協同組合などと連携した地域づくりをすすめる取り組みです。「吉野の森と水を守る」ための取り組みとして、奈良県森林組合連合会、JAならけん、ならコープが連携し、里山を再生する活動をおこなっています。ならコープであつかう「奈良県産ひのひかり」のご利用1kgにつき1円をJAならけんとともに「吉野の森と水を守るための募金」として植樹や環境保全活動の費用に充てています。共栄会試食学習会(主要取引先と共同開催する大試食会)や店舗のお米の日などでの試食や購入者に「吉野の森と水を守るための募金」をイラストにした箸袋に入れた吉野材の割り箸配布などを行い、取り組みをお知らせしました。2019年度の組合員の「奈良県産ひのひかり」の利用点数は139,642点となり105万円を寄付することができました。


吉野の森と水を守るための募金パンフレット

⑧ 絆の森整備事業(黒滝村)

スギ、ヒノキの除間伐で日当たりを改善、防虫対策のため伐採後の樹木の皮を剥ぐなど、森林の保護や里山の保全を目的として2回の活動を実施しました。11月には、整備している山林で檜、杉、ひいらぎ、そよご、うつぎ、ひかげのかずら、どんぐりなどを採取し、採取した材料でリースづくりを楽しみました。組合員の森林環境学習、林業体験の場となっています。

吉野共生プロジェクトロゴA

吉野共生プロジェクトロゴA

絆の森整備事業

絆の森整備事業

⑨ 地域の方々と取り組んだ環境活動

天理市環境連絡協議会主催の布留川の清掃、平群町主催のごみ減量フェスタ、奈良市主催のモビリティ&カーフリーデー、桜井市主催の桜井市環境フェア、生駒市の環境団体エコネットいこま主催のいこま環境フェスティバルなど自治体や地域の環境団体が主催する環境イベントに職員・組合員が積極的に参加しました。


天理市布留川清掃

環境月間の取り組み

環境月間では環境に配慮した行動を実践する取り組みとして、店舗で『SDGsスタンプラリー』と題し、お買い物をしながら生産者のことや環境のことなどSDGsについて考える取り組みを、職員も学びながらおこないました。

SDGsスタンプラリーたつたがわ

SDGsスタンプラリーたつたがわ

ディアーズコープたつたがわ職員によるSDGs学習

ディアーズコープたつたがわ職員による
SDGs学習

3.循環型社会の形成
~リサイクル事業・マイバッグ持参運動~

(1) 事業系廃棄物削減の取り組み

事業系廃棄物の排出量(単位:kg)

  無店舗事業 店舗事業 農産加工センター 物流センター 合計 前年比(%)
2013年度 21,356 367,133 70,117 19,632 478,238 101.4
2014年度 17,019 389,571 90,628 18,890 516,108 107.9
2015年度 21,206 428,442 68,204 23,994 541,846 105
2016年度 23,360 426,144 75,484 22,508 547,495 101
2017年度 20,201 426,789 83,510 12,010 542,510 99.1
2018年度 24,235 496,447 64,486 12,235 597,402 110.1
2019年度 25,342 452,255 89,115 17,330 584,042 97.8

生ごみ排出量(単位:kg)

事業系廃棄物は584,042t(前年597,402t、前年比97.8%)、前年から13,360kg減少しました。(表9)

① 店舗廃棄物削減の取り組み

2018年6月以降、店舗での廃棄物の現状を把握し(どの部門からどれだけの廃棄物が排出されているか)、問題解決と作業効率を高めるために環境Navi(廃棄物計量管理システム)を導入、計量結果のデータ化により、部門ごとの廃棄量を把握、改善しやすくなりました。

② 生ごみリサイクル

食品残渣量409,573 kg(前年411,678 kg)前年比99.5%に対してリサイクル量が282,259(前年294,897 kg)となり再生利用率は68.9(前年71.6%)となりました(表10)。農産加工センターでのカット野菜、カットパインなどの加工時に出る生ごみの量が増加したことが要因です。農産加工センターでの生ごみの一部は(株)ハートフルコープならに委託してリサイクルを実施し、2019年度は生ごみ24,640kg(前年23,120kg)を処理、2,464kg(前年2,312kg)の乾燥残渣を製造しました。乾燥残渣は県内の産直農産物生産者によって、牛糞などの堆肥と混ぜ、半年間の発酵期間を経過後に肥料として使用されています。


店舗でのフードドライブ

③ 組合員と取り組む食品ロス削減

店舗事業では2019年度10月以降食品ロス削減の取り組みを組合員とすすめ、フードバンク奈良への支援は、無店舗のキャンセル品、余剰在庫、店舗の管理期限切れ品、フードドライブの開催を通じて、約3tの食品を提供しました。12月にはコープふれあいセンター六条で「あすなら塾公開講座~フードバンクって何?」を開催し、フードバンク奈良の活動紹介と倉庫兼事務所の見学をおこない、フードバンク奈良の活動を多くの方に知っていただく機会となりました。また、こども食堂の支援として7月に「奈良こども食堂ネットワーク」と共催してこども食堂交流会を開催し、県内の多数のこども食堂運営者や関係者が集まり交流を図ることができました。


こども食堂交流会

(2) 再資源化の取り組み

①リサイクル(単位:kg)

ならコープでは使用する容器をできるだけ減らすとともに、リサイクルのしくみが確立している品目について、店舗や配達を通じて組合員から回収しています。回収したリサイクル商品は物流センター内にあるリサイクル施設にて、保管し、リサイクル業者に売却しています。

② プラスチック容器包装削減の取り組み

ディアーズコープいこまに「ノントレー包装機」を導入し、鶏肉などの精肉をトレーなしでの陳列を開始、環境面への配慮と利便性から組合員からの支持、共感を得ることができました。店舗で収集した食品トレーやペットボトルなどをリサイクル素材に加工している(株)エフピコ中部リサイクル工場の施設見学を実施し、リサイクルへの理解を深めました。
夕食宅配事業ではお届け時に使用しているレジ袋を廃止し、ラップ包装でのお届けによりプラスチック容器包装量の削減が実現しました。

いこまノントレー

いこまノントレー

リサイクル工場施設見学

リサイクル工場施設見学

夕宅フルラップ前(手提げ袋使用)

夕宅フルラップ前(手提げ袋使用)

夕宅フルラップ後

夕宅フルラップ後

③ マイバッグ運動

1982年からマイバッグ運動としてご加入いただきお店を利用される際に丈夫なお買物袋をお渡し、省資源・ごみ減量のために使い捨てレジ袋を削減してきました。レジ袋を使用される際には1枚につき5円のご負担をお願いし、「環境資金」としてリサイクルなど環境活動に活用してきました。2019年度のマイバッグ持参率は94.2 %と高い水準を維持し、レジ袋削減に貢献しています。

④ 紙の削減に向けて

無店舗事業で使用するカタログ案内書(カタログ)が多いという意見を組合員や総代からいただいており、無店舗事業の重要な課題です。『くらしのパートナー』(洗剤などの日用品カタログ)や『スクロール』(衣料品カタログ)のお届けを選択できる仕組みを導入しましたが、カタログ種類数の削減のほか、紙を中心とした案内からの転換など、根本的な対策をおこなう必要があります。

⑤ プラスチックごみ問題に関する学習

11月には身近なマイクロプラスチックの問題について大阪商業大学准教授 原田禎夫氏を講師に招き、「未来のために知っておきたい海とプラスチックの話」の講演を開催し、プラスチックごみ問題について学習し、くらしを見直す機会となりました。


未来のために知っておきたい 海とプラスチックの話

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