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ゲノム編集技術応用食品の現段階での考え方


1.はじめに

  1. 7月に厚生労働省が募集したゲノム編集技術応用食品に関するパブリックコメントには314件の提出があり、生協関係ではならコープを含む10の生協・連合会から提出がありました。それらを受けて厚生労働省からは、リスクコミュニケーションについては専用サイトを新たに開設するなど、より具体的な対応策が示されたものの、届け出については任意に留めるなどの見解が出されました。
  2. 今回の厚生労働省の見解、並びに今後ゲノム編集技術を応用した食品が流通する可能性があることを受けて、ならコープとしての考え方を下記の通り整理いたします。

2.ゲノム編集技術応用食品について

  1. ゲノム編集技術応用食品の概要
    1. ゲノムとは、遺伝情報の総体を示す言葉です。
      すべての動植物は染色体にある遺伝子(DNA)により性質等が決まりますが、固体内のすべての遺伝子情報のことを「ゲノム」と総称しています。
    2. ゲノム編集技術応用食品とは、ゲノムを効率よく改変する技術によって生まれた食品のことです。早ければ年内にも国内で販売されると報道されています。
  2. ゲノム編集技術について
    1. 栽培に適した新しい品種を作ることを品種改良・育種といいます。動植物は、遺伝子の変化によって性質が変化します。私たちは、それを利用して品種改良・育種を行い、植物の性質を自分たちにとって都合の良いもの(病気に強くてたくさん収穫でき、さらにおいしいなど)に変えてきました。
    2. 私たちが口にしている野菜や果物のほとんどは、「品種改良」されたものです。
      品種改良は遺伝子の変化を利用したもので、長い年月をかけて交配や突然変異などを元に改良されてきています。それら品種改良は偶然の繰り返しで、有用な作物を得るには長い期間を要してきました。
    3. このように、長い年月をかけて品種改良を行ってきたものを、ゲノム編集技術では、ゲノム情報(遺伝子情報)を読み解いたうえで、特定の遺伝子を狙って切断し、その部分に変異を起こさせ、欲しい性質を持つ品種(GABA高含有トマトやソラニンをほとんど作らないジャガイモなど)への変異を短期間かつ高い確率で起こすことができる新しい技術のことです。(現在進められているゲノム編集技術はこの方法が最も有力です)
  3. 厚生労働省の考え方
    1. 届け出の義務化については、ゲノム編集技術応用食品のDNAの変化は、食品衛生法上特段の規制が設けられていない「従来の育種技術」によって得られたものの範囲内と考えられ、食品衛生法上の規制などを適用する根拠となる科学的知見には乏しいことから、現段階では義務化にそぐわないと考えており、今後、国内外の安全性に関する科学的知見が得られた場合は必要に応じた見直しを検討するとしています。
    2. リスクコミュニケーションについては、厚生労働省のホームページに専用サイトを開設し、届出情報の公開を予定すること、説明会や意見交換会、パンフレット、Q&Aの作成などに取り組むなどの具体案が出されました。

3.諸外国の規制の状況

ゲノム編集技術を用いた作物を遺伝子組み換え作物と同様に扱うかどうかは各国で判断が分かれ、国際的な整合性を取ることは難しいのが現状です。また、規制にあたっては実効性のある取締り体制が必要です。その整備は各国で今後の課題とされています。

4.現段階でのならコープの考え方

  1. 現段階においては組合員のゲノム編集技術応用食品に関する認知が十分とは言えず、またリスクコミュニケーションも不足していると考えられることから、「ゲノムとは何か」「ゲノム編集とは何か」など組合員への学習や"あをがき"を通じての学習など、「ゲノム編集」への理解を広げていきます。
  2. 商品の取り扱いについては、組合員の意見もうかがいながら慎重に考えていくことが必要と考えますが、現時点では上市された製品などの具体的な情報も無く、情報が不足していることなどから、現時点でのゲノム編集技術応用食品の取り扱いは考えておりません。
  3. ゲノム編集技術に関する最新の科学的知見に基づいた情報や流通状況など、日本生協連やコープきんきと連携しながら、最新の情報の収集に努めていきます。
  4. 「ゲノム編集」の表示制度の整備や義務化、検査方法の確立など、日本生協連と連携して求めていきます。
  5. ゲノム編集技術応用食品及びそれを原材料とする加工食品については、共栄会会員、産直生産者、メーカーとのコミュニケーションをはかりながら、現段階でのならコープの考え方をお伝えするとともに、最新の科学的知見に基づいた情報の交換を行っていきます。


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